日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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サツマイモの新規MADS-box遺伝子のクローニング
*西多 功一Kim Sun-Hyung藤村 達人
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p. 517

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抄録
アントシアニンの生合成にMADS-box遺伝子が関与している可能性がある。アラビドプシスにおいてMADS-box遺伝子が、同じフラボノイドであるプロアントシアニジンの生合成を制御しているためである。そこで我々は、サツマイモの赤く染まった根からのMADS-box遺伝子の単離を試みた。MADS-box遺伝子において最も保存されているMADSドメインのアミノ酸配列を基にディジェネレートプライマーを設計し、3’-RACE法を行った。その結果、新規のMADS-box遺伝子であるIbMADS1の単離に成功した。さらに5’-RACE法によってIbMADS1のORF全長の塩基配列を決定した。ノーザンブロット分析によってIbMADS1の発現解析を行った。IbMADS1は花芽、赤く染まり始めた根、完全に赤く染まった根で強く発現しており、発達途中の塊根ではわずかに発現していた。開花した花、芽、葉、茎、生育初期の白い根では発現していなかった。アントシアニン合成酵素遺伝子であるCHSCHIF3HDFRANSUFGTの発現解析も行い、IbMADS1の発現様式と比較した。これらの結果を基に、IbMADS1のアントシアニン生合成に関与している可能性について報告する。
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© 2004 日本植物生理学会
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