日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

ヒメツリガネゴケにおけるKNOX Class1遺伝子の機能解析
*西山 智明榊原 恵子長谷部 光泰
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 538

詳細
抄録
 維管束植物は、二倍体世代において葉等の側生器官を繰り返しつけるシュートを作る。これに対し、コケ植物は一倍体世代にシュートを作り、二倍体世代は軸の頂端にただ一つの胞子嚢を作る。我々は、シロイヌナズナにおいてシュート形成に重要な役割を担う遺伝子であるSHOOT MESISTEMLESS(STM)のセン類における相同遺伝子(KNOX class1遺伝子)がどのような役割を持っているかを解明することを目的とした。
 セン類のヒメツリガネゴケは3つのKNOX class1遺伝子(PpKN1/MKN2, MKN5, MKN4)を持つ。PpKN1MKN5の3'端にレポーター遺伝子(uidA)を挿入したヒメツリガネゴケを作出し、レポーター遺伝子の発現を調べたところ、いずれも一倍体シュートでは発現が見られず卵および若い二倍体組織においてのみ発現が見られた。PpKN1をシロイヌナズナにおいて35Sプロモーターの制御下で発現させると葉が切れ込む表現型を示した。このことから、PpKN1MKN5は二倍体に一時的に存在する分裂組織の形成維持に関与していると推測される。PpKN1の遺伝子破壊株を作出したがはっきりした表現型は確認できておらず解析中である。現在、MKN4-GUS株およびMKN5MKN4との二・三重破壊株を作出中である。
著者関連情報
© 2004 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top