日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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キュウリの新規重力応答遺伝子cDNAの単離と発現解析
*清水 美順鈴木 圭太藤井 伸治高橋 秀幸
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p. 618

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抄録
種子を水平に置き発芽させたキュウリの芽ばえは,発芽直後に胚軸と根の境界領域 (Transition zone, TR領域) の下側にペグと呼ばれる突起状組織を形成する.TR領域は2個のペグを形成する能力を持ちながら,重力刺激により上側のペグ形成が抑制され,下側にのみペグが形成される.これを我々は重力による形態形成のネガティブコントロールという概念で説明してきた.このネガティブコントロールを担う分子の同定を目的として,蛍光ディファレンシャルディスプレイ (FDD) 法を行い,TR領域の上側で発現の多い遺伝子をコードすると予想される部分的cDNAを単離した.得られた部分的cDNAをプローブとしてcDNAライブラリーをスクリーニングした結果,グリシン残基に富む繰り返し配列を持つ,典型的なglycine-richタンパク質 (GRP) をコードする623 bpのcDNAを単離した.そこで,本遺伝子をCsGRP1と命名した.ノーザン解析により,ペグ形成が開始される21時間齢のキュウリ芽ばえでは,横になったTR領域の下側に比べ上側でCsGRP1 mRNAが多いことを確認した.一方,横倒しにした72時間齢の芽ばえの胚軸では,偏差的なCsGRP1 mRNAの蓄積は認められなかった.したがって,CsGRP1はペグ形成開始期に偏差的に発現する遺伝子であり,ペグ形成の抑制に関与する可能性がある.
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© 2004 日本植物生理学会
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