日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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湿度感受性シロイヌナズナ変異体 slh1(sensitive to low humidity 1)は病原体抵抗性反応と細胞死を恒常的に示す
*能年 義輝伊藤 卓也保浦 徳昇篠崎 一雄
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p. 632

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抄録
我々は、湿度低下により生育阻害を示す劣性のDsトランスポゾン挿入シロイヌナズナ変異体slh1(sensitive to low humidity 1)を単離した。これまでの解析により、葉身上に死細胞とカロース、自家蛍光物質の蓄積が観察され、また抵抗性、酸化的ストレス、プログラム細胞死に関連する遺伝子群の湿度低下に伴う発現誘導が認められた事から、slh1は自発的に病原体抵抗性反応と細胞死を示す変異体であり、高湿度が表現型を抑えるということが明らかとなった。NahG遺伝子の導入によりslh1表現型は部分的に抑圧され、サリチル酸依存的な抵抗性遺伝子発現経路の活性化が示された。Dsは5番染色体下腕RPS4遺伝子を含む約50kbに渡るR-geneクラスター内に挿入していた。この領域は、約30kbに渡ってエコタイプ間で多型を示し、Dsはその中の一つのR-geneに挿入していた。Dsラインから取得できた二つのallelesが表現型を示さなかったことと、破壊遺伝子の導入では表現型が相補されなかったことから、Ds挿入は原因ではないことが判明した。ポジショナルクローニングに向けたマッピングを行ったところ、slh1変異はDs近傍83.6kbp以内に位置づけられた。この領域中に、Ds転移の際に生じる典型的なフットプリントと考えられる3bpの挿入変異をもつ遺伝子を同定したので、現在相補試験を行っている。
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© 2004 日本植物生理学会
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