日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シアノバクテリアSynechococcus sp. PCC7942株におけるDnaJ3の機能解析
*下 哲平田中 仁吉川 卓荷村(松根) かおり吉川 博文
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p. 641

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抄録
シアノバクテリアSynechococcus sp. PCC7942株には、3つのdnaKホモログ(K1,K2,K3)と、4つのdnaJホモログ(J1,J2,J3,J4)が存在している。DnaJはDnaKのパートナータンパク質で、4つあるdnaJホモログの中でdnaJ3dnaJ1とともに必須遺伝子であり、dnaK3とオペロンを形成している。また、DnaK3とDnaJ3はチラコイド膜結合型ポリソームに局在していることを当研究室で見出している。これらのことから、DnaJ3はDnaK3とともに、特異的な機能を持つことが示唆される。今回、我々はこのDnaJ3の機能的特異性を探ることを目的として変異解析を行った。DnaJ3の基質との相互作用に関与すると考えられているC末端非保存領域にPCRを用いてランダムに変異を導入した結果、制限温度である42℃で生育できない温度感受性変異株として、193番目のPheがLeuに置換したF193L株を取得した。さらにこの温度感受性変異株から複数の抑圧変異株を得ることができた。この抑圧変異株のマッピングの結果、PNPase(Polynucleotide phosphorylase)に抑圧変異がマップされている変異株を複数個得ることができた。現在この変異がDnaJの温度感受性を抑圧するメカニズムについて解析を行っている。
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© 2004 日本植物生理学会
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