日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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脱窒光合成細菌のペリプラズム硝酸還元酵素nap遺伝子の発現制御に関わるシグナルと硝酸還元電子伝達におけるNapCタンパク質の役割
*田畑 敦也山本 勇松崎 雅広佐藤 敏生
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p. 681

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抄録
脱窒光合成細菌Rhodobacter sphaeroides f. sp. denitrificans における脱窒の最初の酵素、硝酸還元酵素はペリプラズムに局在し硝酸還元酵素遺伝子はnapKEFDABCより成る。テトラヘムcより成るNapCはキノールから硝酸還元酵素への電子キャリアーと考えられている。一方、napオペロンの発現制御に関わるシグナルについては全く不明である。本研究では、napオペロンの発現制御に関わるシグナルを明らかにすることを目的とした。
 napKEFD-lacZとの融合プラスミドを、野生株及びnap変異株に導入して環境条件によるLacZ活性の変化を見た。嫌気/暗条件で硝酸を加えた時LacZ活性が高く、光は阻害的であった。しかし、好気条件では硝酸を加えなくても高い活性を示した。napAnapB変異株ではLacZ活性は殆どなかったため、硝酸そのものがシグナルでないことを確認した。次に、napC変異株では、硝酸還元酵素活性を示すと同時にLacZ活性も示し、NapCタンパク質の硝酸還元における役割が問題となった。
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© 2004 日本植物生理学会
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