日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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カボチャの巻ひげの運動に対するインドール酢酸の役割
*鶴崎 健一
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p. 742

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抄録
多くのよじ登り植物に見られる巻ひげは、接触刺激により支持体に巻き付くことが知られている。巻き付き現象にインドール酢酸(IAA)が関与している可能性は示唆されているが、詳細は分かっていない。そこで、今回、カボチャの巻ひげの運動とIAAの関係を調べることにした。カボチャは、1/5ホーグランド溶液で水耕栽培した。温度25.5℃、白色光下12時間と暗所12時間の周期で3週間以上育て、巻ひげを得た。巻ひげの切片を作り、IAAを投与すると、切片の巻付きを強力に促進した。IAAの前駆体と考えられているインドールアセトアルデヒドも巻きひげ切片の巻付きを強力に促進したが、トリプトファンとインドールアセトニトリルはほとんど巻付かなかった。巻ひげの発生から老化による巻付きが生じるまでのIAA内生量を測定すると、発生からしばらく一定の濃度を示すが、老化による巻付きが生じるとその濃度は減少した。現在、接触刺激を与えたときの巻ひげのIAA内生量の変化について調べている。
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© 2004 日本植物生理学会
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