日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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CKH2はクロマチンリモデリング因子のCHD3ファミリータンパク質をコードする
*古田 かおり柿本 辰男久保 稔劉 耀光柴田 大輔
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p. 749

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抄録
 植物ホルモンの一つであるサイトカイニンは、オーキシン存在下のカルスで細胞増殖や緑化を引き起こす。当研究室で単離されたサイトカイニン高感受性突然変異体ckh2cytokinin-hypersensitive)はサイトカイニンが低濃度でも細胞増殖や緑化を示すため、CKH2はサイトカイニン応答の負の制御因子と考えられる。
 ポジショナルクローニングによりCKH2遺伝子を同定したところ、SNF2のCHD3サブファミリーをコードするPICKLE遺伝子と同一のものだった。動物ではCHD3はヒストン脱アセチル化酵素複合体の構成因子であり、クロマチンリモデリングに関与している。PICKLEは胚の成熟に伴ってembryonicなプログラムを終了するのに必要であり、サイトカイニンはこの過程にも働いているかもしれない。
 サイトカイニン受容体に欠損のあるcre1との二重変異体は相加的な表現型を示した。CKH2はサイトカイニン受容によるシグナル伝達経路とは独立に、サイトカイニン応答を制御していると考えられる。
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© 2004 日本植物生理学会
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