廃棄物資源循環学会誌
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特集:プラスチック二次資源化としての役割と技術展開
自動車における樹脂材料の活用と ASR 減量化の課題
堂坂 健児
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2018 年 29 巻 2 号 p. 108-115

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抄録

近年の世界各地域における CO2 削減要求から,自動車会社は急激な電動化シフトを始めていることは周知のとおりである。この電動化加速の波は,AI による自動運転やコネクテッドカーと相まって自動車会社にさまざまな影響を与えており,100 年に一度の大変革期ともいわれている。電動化自動車は高性能モーターや大容量のバッテリーの搭載により大幅な燃費の向上が得られる一方,車両重量は増加しているのが現状である。今後,電動化の恩恵を最大限に享受するためには車両の軽量化は避けられず,樹脂材料への期待が高まっている。今までの樹脂材料は自動車の内装部品での活用が主流であったが,今後は軽量化材料のみならずその成形自由度から意匠性向上の観点でも樹脂材料の多用が想定される。本稿では,自動車における樹脂材料採用の歴史を振りかえりながらその可能性を展望するとともに,使用済み自動車となった際に発生する ASR の減量化課題についても言及したい。

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© 2018 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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