日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC7942の概日時計システムにおけるKaiCのリン酸化の意義
*清原 玲子西脇 妙子Cheolju Lee里見 佳典景山 伯春中嶋 正人手間本 実央子岩崎 秀雄高尾 敏文近藤 孝男
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p. 762

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抄録
シアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC7942のkaiAkaiBおよびkaiCは概日リズム発生に必須である。KaiCタンパク質はkaiBC遺伝子の転写を抑制するが、この自己フィードバックループが概日時計の本体であると考えられている。KaiCはin vivoでSer/Thr残基のリン酸化に概日リズムが観察され、in vitroでは自己リン酸化および自己脱リン酸化活性を示す。さらにKaiCのリン酸化はin vivoin vitroともにKaiAにより促進され、KaiBにより抑制されることが明らかになっている。しかしながら概日リズム機構におけるKaiCのリン酸化の役割は未だ不明である。我々はKaiCのリン酸化レベルが低下するシアノバクテリア株を2つ得た。これらの株においてはkaiBC 遺伝子発現リズムが失われ無周期になっていた。また現在KaiCのリン酸化部位の決定を試みている。これらの結果をもとにKaiCのリン酸化がシアノバクテリアの概日時計システムにおいて果たす役割を考察したい。
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© 2004 日本植物生理学会
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