日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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CO/Hd1によるFT相同遺伝子の発現制御の解析
*中川 仁矢野 昌裕井澤 毅
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p. 761

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抄録
長日植物アラビドプシスの転写因子CONSTANS(CO)と短日植物イネのオーソログであるHd1は、FT相同遺伝子の発現制御に関わっており、日長による開花の制御において中心的な役割を果たしている。しかしながら、COは長日条件下でFTの発現を促進するのに対し、Hd1は長日条件下でイネFT相同遺伝子(Hd3a
etc.)の発現を抑制、短日条件下では促進するという点で、両者を介した日長によるFTの制御は異なっている。私達は、CO/Hd1によるFT相同遺伝子の発現制御の共通点と相違点を明らかにするために、イネとアラビドプシスにおける一過性発現系を用いて、CO/Hd1によるFTおよびHd3aの発現制御の解析を行った。Hd1はイネのプロトプラストの一過性発現系においてHd3aプロモーターの活性を抑制することが報告されているが、FTプロモーターに対しては、活性化に働くことが確認された。一方COはアラビドプシスにおいてFT-プロモーターを活性化することが報告されているが、イネにおいてHd3aプロモーターに対しては抑制的に働くことも確認された。これらの結果は両種間のCO/Hd1によるFT相同遺伝子の制御の違いは、プロモーターの違いも要因であることを示している。現在FTHd3aのプロモーター上のCO/Hd1による発現制御に関わるシスエレメントの同定を行っている?
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© 2004 日本植物生理学会
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