日本手外科学会雑誌
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学術集会発表論文
Mini Tight Rope®︎ を用いた母指CM 関節形成術におけるロープ結紮法の工夫―Double Loop 法―
田村 文一柳林 聡吉武 彰子海老原 ゆかり
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2025 年 41 巻 4 号 p. 342-345

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抄録

母指CM 関節症に対してMini Tight Rope®︎ を用いた関節形成術では,術後に第2 中手骨側のロープの結紮点が皮下硬結として疼痛や炎症の原因となることがある.著者らは,ロープの結紮法を工夫することでこれらの問題を解決し得たため報告する.対象は2022 年1 月〜2024 年1 月に,Mini Tight Rope®︎ を用いた関節形成術を施行した12 例12 手である.本法では,従来どおりボタンの左右の孔にロープを通した後,さらに対側の孔に通して尺側に引き出し結紮することで,結紮点は常にボタンの掌側かつ尺側に位置するようになる.本法における皮下硬結に伴う疼痛や違和感の訴えは全例で認めなかった.また,ロープの結紮部がボタンの掌側に位置するため,ボタンと第2 中手骨の間に適度な間隙,つまり遊びが生じる.そのため,ロープの締結具合の調節は,単純に最大強度で締結するのみで良いと思われた.

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