日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ小胞体のDnaJホモログ遺伝子の解析
*西川 周一丸山 大輔遠藤 斗志也
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p. 771

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抄録
DnaJファミリーのタンパク質(DnaJホモログ)は,hsp70のパートナータンパク質として,その活性の制御を行なうとともに,hsp70の基質タンパク質とも結合する分子シャペロンである.出芽酵母小胞体には,Jem1p,Scj1p,Sec63pという3種類のDnaJホモログが存在し,小胞体のhsp70であるBiPのパートナータンパク質として,タンパク質の小胞体膜透過,小胞体におけるタンパク質の品質管理,接合時の核膜融合といった過程を制御している.われわれは,変異体を用いた解析から,BiPは異なる過程に異なるDnaJホモログをパートナーとして用いることを明らかにしてきた.シロイヌナズナゲノム上に存在する約90のDnaJホモログの遺伝子の中にも,1次構造の比較から,出芽酵母のJem1p,Scj1p,Sec63pそれぞれに対応すると予測される遺伝子が存在する.そこでわれわれは,これら遺伝子の機能を解析するため,RT-PCR法によってcDNAのクローニングを行なった.また,これら遺伝子はすべて,BiPと同様にその発現が小胞体ストレスを引き起こすツニカマイシン処理によって誘導されることがノザンブロット法によって示された.現在,これらの遺伝子が出芽酵母変異株の表現型を抑圧するかどうかについて検討している.
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© 2004 日本植物生理学会
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