日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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アグロインフィルタレーション法を用いたタバコのストレス応答性MAPキナーゼの解析
*杉木 みゆき
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p. 787

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抄録
タバコのMAPキナーゼであるSIPKとWIPKは、サリチル酸、傷害、TMV感染など様々な刺激に反応して活性化されることが知られている。
本研究ではストレス応答性MAPキナーゼの解析をするために、N.benthamiana を用いたアグロインフィルタレーション法による実験を行った。GST融合MAPキナーゼを発現するアグロバイナリーベクターを構築し、このベクターをもたせたAgrobacterium菌液をタバコ葉身に注入して、GST-SIPKおよびGST-WIPKの一過的発現を試みた。ウェスタンブロッティングによってタンパク質の発現が、それとともにゲル内リン酸化法によってGST-SIPK,GST-WIPKの活性化が確認できた。
健全な葉に紫外光を照射した場合ではSIPK,WIPKの分子量付近でキナーゼの活性化がみられた。更にアグロインフィルタレーション法を用いて解析を行った結果、GST-SIPK,GST-WIPKの活性化が生じていた。
以上により、タバコの紫外線ストレス応答時においてはSIPK,WIPKがシグナル伝達系の因子としての役割を持つことが示唆された。
現在、GST融合MAPキナーゼとその上流活性化因子候補分子を共発現させ、活性化メカニズムの解析を進行中である。また、紫外光を照射された植物体において、TMVを始めとする病原体抵抗性への影響についての解析を行っている。
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© 2004 日本植物生理学会
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