日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第45回日本植物生理学会年会講演要旨集
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アクティベーションタギング法による環境ストレス耐性関連遺伝子の探索
*藤原 範己西森 靖之小川 貴央吉村 和也重岡 成
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p. 805

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抄録
植物は環境ストレスに対して多くの酵素タンパク質を誘導することでそれぞれの環境に適応している。しかし、植物細胞内で常時発現している酵素タンパク質も種々のストレス防御に関与しているが、その発現量が少ないことからその生理的意義が明確でないものも少なくないと考えられる。そこで本研究では、アクティベーションタギング法を用いて酸化的ストレス耐性に関与するタンパク質遺伝子の単離・解析を試みている。現在までに、約8,500株のシロイヌナズナアクティベーションタグラインを作製し、そのうち2,750株を酸化的ストレスの指標としてパラコート(3 μM)添加によりスクリーニングを行った。その結果、酸化的ストレス耐性を示す2株の変異体(pqr-236pqr-242)を選抜した。pqr-236はT3世代においてもパラコート耐性の表現型を示した。そこで、これら2株のT-DNA挿入位置を決定するため、TAIL-PCRにより解析を行った結果、pqr-236ではAt3g54920At3g54910の間に、pqr-242ではAt2g28660At2g28650の間にT-DNAが挿入されていた。現在、これら変異体におけるパラコート耐性の表現型の原因遺伝子を同定するために、T-DNA近傍遺伝子の発現量の解析およびそれぞれの過剰発現体の作製を行っている。
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© 2004 日本植物生理学会
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