日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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原始紅藻 Cyanidioschyzon mrolae 10Dの核及び色素体ゲノムの cfxQ の機能解析
*藤田 清仁太田 にじ
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p. 043

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抄録
 植物において二酸化炭素の固定の酵素RuBisCOは rbcL, rbcSにコードされている。RbcLのアミノ酸配列を基に系統樹を作成すると、大きくプロテオバクテリア型(R型)とラン藻型(G型)に分かれることが報告されている。G型のRuBisCO遺伝子は rbcL-rbcS のオペロン構成をとっているが、R型のRuBisCO遺伝子は rbcL-rbcS-cfxQ オペロンとしてRuBisCO遺伝子の発現に必要と推測されている cfxQ が存在している。
 cDNAの塩基配列の解析及び Cyanidioschyzon merolae 10Dの核の全塩基配列から、核も cfxQ を単独でコードしていることがわかった。本研究では色素体及び核にコードされているそれぞれの cfxQ について機能を明らかにすることを目的として研究を進めている。
 CfxQのアミノ酸配列を基に系統解析を行った結果、色素体の cfxQ はプロテオバクテリア由来のものと考えられたが、核の cfxQ は早い段階で分岐していた。このことから、色素体の cfxQ は共生体由来、核の cfxQ は宿主由来であるという可能性もある。
 次に二つの cfxQ の転写発現についてノーザン解析を用い調べた。その結果、核及び色素体の cfxQ はどちらも転写されており、転写時期に差が見られたためそれぞれ異なる調節を受けている可能性が示唆された。
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© 2005 日本植物生理学会
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