日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるサイトカイニン水酸化酵素遺伝子の発現解析
*武井 兼太郎山谷 知行榊原 均
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p. 099

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抄録
イソペンテニルトランスフェラーゼ (IPT)により合成されたイソペンテニルアデニン (iP) ヌクレオチドはP450酵素により水酸化されトランスゼアチン (tZ) ヌクレオチドに変換される。バクテリア由来のIPTを過剰発現する形質転換植物はiP型でなくtZ型サイトカイニンを蓄積することから、これまではサイトカイニン水酸化酵素は構成的に発現すると考えられていた。昨年の年会で報告したように、我々は酵母発現系を利用したサイトカイニン水酸化酵素遺伝子の探索により、シロイヌナズナからCYP735A1及びCYP735A2を同定した。また、これらの遺伝子が器官特異的に発現すること、オーキシンやアブシジン酸、サイトカイニンに応答性を示したことから、従来の予想と異なりCYP735Aがサイトカイニン代謝制御の標的遺伝子の一つである可能性が示唆された。今回我々はCYP735Aの発現部位を特定するために、CYP735A1及びCYP735A2のプロモーター制御下でGUSもしくはGFPを発現する植物を作出し、解析を行ったのでその結果を報告する。また、IPTの発現部位と比較し、導管を経由した植物体内でのサイトカイニンの長距離輸送についても議論したい。
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© 2005 日本植物生理学会
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