日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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光親和性プローブを用いたブラシノステロイドと受容体型キナーゼBRI1の結合についての解析
*木下 俊則Ana Cano-Delgado瀬戸 秀春平沼 佐代子藤岡 昭三吉田 茂男Joanne Chory
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p. 101

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抄録
植物ホルモン・ブラシノステロイド(BR)の情報伝達に関与するBRI1は、1つの膜貫通領域をはさんで、N末側の細胞外領域に25個のロイシンリッチリピート(LRR)と21番目と22番目LRRの間に70個のアミノ酸からなるアイランドドメイン(ID)、C末端の細胞内領域にセリン/スレオニンキナーゼドメインをもつ受容体型キナーゼである。これまでの研究により、BRI1はBRの受容において不可欠な因子であることが示されているが、BRがBRI1に直接結合しているのかどうかは不明であった。本研究では、光親和性BRプローブであるbiotin-tagged photoaffinity castasterone (BPCS)を用いてBRとBRI1の結合について解析を行った。その結果、BPCSは植物体より免疫沈降したBRI1に直接結合することが明らかとなった。さらに、BPCSの結合部位について、大腸菌で発現させ精製したBRI1断片を用いて調べたところ、IDとIDのC末端側の22番目LRRからなる94アミノ酸(ID-LRR22)が結合の最小領域であり、ID-LRR22断片はBPCSに対して全長BRI1と同じ親和性を持っていた。以上の結果は、BRI1はBRの受容体であり、BRはBRI1細胞外領域のID-LRR22に直接結合することを強く示唆するものである。
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© 2005 日本植物生理学会
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