日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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カルコン4’配糖化酵素とオーレウシジン合成酵素遺伝子の発現による黄色い花の分子育種
*小埜 栄一郎水谷 正子中村 典子福井 祐子榊原 圭子中山 亨山口 正篤久住 高章田中 良和
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p. 117

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抄録
オーウレウシジンなどのオーロンは鮮やかな黄色を呈するフラボノイドである。キンギョソウのオーレウシジン合成酵素遺伝子(AmAS1)はカルコンからオーレウシジンの合成を触媒するが、AmAS1を発現させた組換え植物ではオーロンは合成されなかった。今回、我々はキンギョソウ花弁からカルコンの4’位への糖転移を触媒する新規な酵素(Am4’CGT)を見出し、そのcDNAを取得した。Am4’CGT遺伝子は黄色キンギョソウ花弁においてAmAS1遺伝子と同調した転写パターンを示した。Am4’CGTとAmAS1を発現させた形質転換トレニアは花弁でオーレウシジン6配糖体を生成した。Am4’CGTとAmAS1を発現し、さらに(RNAi法により)アントシアニン生合成酵素の発現を抑制したトレニアの花弁は黄色を呈した。あわせて、Am4’CGTとAmAS1の細胞内局在性解析を行い、細胞内でのオーロン生合成機構を解明した。本報告は遺伝子組換え手法により明瞭な黄色花を作出した初めての報告である。
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© 2005 日本植物生理学会
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