日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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プロテオーム解析による野生種スイカの根における強光・乾燥ストレス応答タンパク質の同定
*吉村 和也増田 明子明石 欣也横田 明穂
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p. 199

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抄録
根は乾燥ストレス条件下においてもその発達が阻害され難いため、ストレスに対する優れた適応および防御応答機構を有していると考えられる。野生スイカ(Citrullus lanatus sp. No101117-1)は、強光・乾燥ストレスに対して高い耐性能を有することから、その根には高度に発達したストレス耐性機構およびストレス受容/情報伝達機構が存在すると考えられる。そこで本研究では、プロテオーム解析により野生種スイカの根における強光・乾燥ストレス応答タンパク質の同定を試みた。
 人工土壌を用いて栽培した野生種スイカに強光・乾燥ストレス(700 μmol photons/m2/s, 35℃, 潅水停止)を付与した。定法にしたがって、ストレス付与0, 1, 3日後の植物体の根から可溶性および膜タンパク質を抽出し、二次元電気泳動を行った。その結果、可溶性画分においてストレス付与0日目と比較して、1および3日目において蓄積量の増加したスポットが66個、減少スポットが27個認められた。そこで、LC-MS/MS解析によりそれらの変動タンパク質を同定した結果、増加のピークがストレス付与1日後のものには様々な代謝酵素および形態形成に関与するタンパク質が、3日後に認められるものにはヒートショックタンパク質、プロテアーゼ、および活性酸素代謝酵素が多く含まれていた。
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© 2005 日本植物生理学会
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