日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Synechococcus グリコーゲン合成酵素欠損株における炭水化物代謝
*鈴木 英治高橋 由佳中村 保典
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p. 210

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抄録
シアノバクテリア Synechococcus elongatus PCC 7942 株における主要光合成産物であるグリコーゲンおよびショ糖の細胞内含量を酵素法により定量した。メタノール抽出後の上清(ショ糖を含む)および沈殿(グリコーゲンを含む)を乾燥させた後、それぞれβ-フルクトシダーゼ(インベルターゼ)およびグルコアミラーゼで処理し、産生したグルコースをヘキソキナーゼ + グルコース 6-リン酸デヒドロゲナーゼ反応を用いて測定した。グリコーゲンの定量値は、メタノール抽出を行った場合、エタノール抽出よりも約 2 倍高い値を示した。
細胞あたりのグリコーゲン含量は培養後期(OD730 > 2)に時間経過とともに増加する傾向が認められた。ショ糖は一部のシアノバクテリア種において高塩濃度環境での細胞内浸透圧調節物質として合成される。Synechococcus においてショ糖は基本培地中では検出されなかったが、培地へ 0.2 M 塩化ナトリウムを添加した後 30 分で蓄積が認められ、8 時間までに一定レベル(35 nmol/ml・OD730)に達した。グリコーゲンの合成能を失ったグリコーゲン合成酵素遺伝子破壊株では 0.2 M 塩化ナトリウムの添加により生育が停止した。この時ショ糖の蓄積は認められたが、細胞内含量の増大速度は緩やかであった。以上の結果、多糖の蓄積が高塩濃度環境での生育に重要な役割を担うことが示唆された。炭水化物含量変動時における関連代謝酵素活性について併せて報告する。
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© 2005 日本植物生理学会
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