日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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高等植物生葉でのPSI循環的電子伝達反応(CEF-PSI)の光およびCO2応答
-CEF-PSIはNPQ誘導の主役である-
*三宅 親弘堀口 さやか新崎 由紀山本 宏加藤 秀起富澤 健一
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p. 258

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抄録
CEF-PSIの生理的役割として、チラコイド膜ΔpH形成によるNon-photochemical quenching (NPQ)誘導が提唱されている。NPQの反応は、光傷害を引き起こす過剰な光エネルギーを熱として安全に処理する。我々は、タバコ生葉でCEF-PSI活性を評価し、NPQ誘導に対する寄与を解析した。CO2飽和条件下、光強度の増大はO2発生速度(V(O2))、PSIおよびPSIIの電子伝達活性(Je(PSI), Je(PSII))を増大させたが、Je(PSI)は、V(O2)およびJe(PSII)が光飽和した後も増加し続けた。これは、PSIで、リニアーな電子伝達反応に関与しない電子伝達反応(CEF-PSI)が機能していることを示す。NPQは、Je(PSII)が光飽和した後、急激に増大し、光飽和後の増加するCEF-PSI活性と強い相関を示した。光飽和・20%O2下、CO2分圧の低下は、CO2固定速度、Je(PSI)およびJe(PSII)を低下させ、一方NPQを誘導した。Je(PSI)低下の程度はJe(PSII)の程度よりも小さかった。これは、低CO2下、CEF-PSI活性が誘導されていることを示す。このCEF-PSI活性は、NPQと強い相関を示した。これらの結果は、電子受容体NADP+の再生が光合成を律速する条件下、CEF-PSIがNPQ形成を誘導することを示している。
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© 2005 日本植物生理学会
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