日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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アサガオの暗期応答遺伝子の探索
*野村 裕也石倉 淳士岩岸 瑛里子中平 洋一椎名 隆竹葉 剛
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p. 426

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抄録
植物は、日々繰り返される明期と暗期をうまく利用し、概日リズムの調整、光合成の制御、光周性花成の誘導などに関連する様々な遺伝子の発現制御を行っている。我々は、光周性に敏感に反応する短日性植物のアサガオ(Pharbitis nil cv. Violet)を実験材料とし、暗処理により発現が誘導される遺伝子をスクリーニングした。今回は、cDNAサブトラクト法で得られた2種の遺伝子の発現解析の結果を報告する。それぞれの遺伝子は、シロイヌナズナのユビキチン 1,2および機能未知遺伝子とそれぞれ高い相同性を示した。これらの遺伝子の暗期における発現応答性について、アサガオの子葉を使い連続暗期での経時変化を調べた。両遺伝子とも暗処理によって発現が誘導され、暗処理開始後12~16時間に発現のピークがみられた。また、短日処理による花成誘導を打ち消すことが知られている、暗期開始8時間後の光照射(光中断処理)や暗期処理前の遠赤色光照射(end-of-day 遠赤色光処理)によって、暗期中の発現誘導が抑制されることが分かった。これらの2つの遺伝子の花成誘導における役割について論じる。
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© 2005 日本植物生理学会
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