抄録
我々は光合成と窒素固定を行う生物種を対象に、その全遺伝システムの解明を
目標として、種々のバクテリア・藻類・高等植物を対象に、ゲノムとcDNAの大
規模配列決定をすすめてきた。本発表では、昨年度にひきつづき、マメ科植物
研究に好適なモデルとして注目されているミヤコグサ Lotus
japonicus ゲノムの大規模構造解析プロジェクトについて報告する。この
ゲノムプロジェクトでは、モデル植物としてのミヤコグサゲノム情報の有効な
利用を図るため、複数の側面からの解析の同時進行をすすめている。まず、
cDNAライブラリならびに種々のインサートサイズのゲノムライブラリの構築を
行い、それらの塩基配列決定をすすめている。同時に、DNAマーカーの作成と
遺伝地図の作成を行っており、6染色体上にBAC/TACクローンのマッピングを行
うと同時に、それらを起点としてウォーキングしたクローンもふくめた詳細な
遺伝地図を作成している。また、塩基配列の配列解析を自動化するアノテーショ
ンパイプラインを作成し、高速に遺伝子予測を進めている。得られた結果は関
連情報とともにWWWサイト http://www.kazusa.or.jp/lotus/ で公開している。
この発表ではプロジェクトの進捗により、その全体像があきらかになりつつあ
るミヤコグサゲノムの解析結果について報告する。