抄録
トリコテセンは、Fusarium属などが産生するファイトトキシンで、植物への感染過程で病原性因子として働くことが示唆されている。トリコテセン産生菌に羅病性であるシロイヌナズナの葉に、トリコテセンを投与すると、病斑の形成を伴う細胞死が観察され、活性酸素、カロースやサリチル酸の蓄積、また、MAPKの活性化や防御遺伝子の発現誘導が起きることを明らかにしている。シロイヌナズナのトリコテセンによる細胞死の過程でのタンパク質の挙動を、2D-LCを用いて解析を行った。2D-LCでは、高速HPLCをベースに、1次元目はクロマトフォーカシングカラムによる等電点での分離、2次元目は逆相クロマトカラムによる疎水性での分離を組み合わせることで、測定した吸光度からサンプル間のディファレンシャルディスプレイを行い、トリコテセン処理とmock処理した場合を比較し、細胞死の過程で変動する複数のピークを見出した。更にそれらを3次元目としてSDS-PAGEを用いて分離し、MALDI-TOF/MSによるタンパク質の同定を試みている。