日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Standing osmosis の静特性と動特性から求められるアポプラストカナルの形態
*水野 昇治水野 暁子
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p. 525

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抄録
植物の伸長生長時の一見能動的な吸水に際しては、アポプラストカナルに生ずるstanding osmotic gradientに起因する水吸収と溶質吸収とのカップリング現象が見られる(Katou & Furumoto 1986)。我々は以前にこの現象を記述する非線形常微分方程式の代数的近似解を求め、水吸収の静特性を明らかにし、アポプラストカナルの構成成分が細胞壁であることの必然性について考察するとともに、生理的な範囲の水吸収を行うためのアポプラストカナルの形態(厚さと長さ)の範囲を大まかに推測した(Mizuno & Mizuno 2002)。また一方、非線形偏微分方程式を近似的に解き、溶質吸収に対する水吸収の動特性を求めた(Mizuno & Mizuno 2003)。
今回はさらに、溶質吸収にカップリングして起こる水吸収の静特性と、動特性(溶質吸収のステップ状の変化に対する水吸収の応答の時定数)との連立方程式を解くことによって、細胞壁で構成されるアポプラストカナルが採り得る形態(厚さと長さ)の範囲を以前よりはるかに明確にした。
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© 2005 日本植物生理学会
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