抄録
我々は、紫外線に耐性を示すシロイヌナズナの変異体を4系統(uvi1-4)単離することに成功している。今回は、uvi4変異体の解析について報告する。uvi4はUV-B照射下で育成した時、野生型に比べて新鮮重が最大で2倍以上大きい。紫外線吸収物質の含量は野生型と差がみられず、また、UV-B照射により生成されるシクロブタン型ピリミジン二量体の量およびその修復の速度にも顕著な差がみられなかったことから、これら以外の新規の要因によって紫外線に耐性を示すと考えられた。我々は、uvi4変異体の葉では、野生型に比べて核内倍加サイクルが1回多く進むことを見いだし、倍数性レベルの上昇が耐性の原因である可能性が示唆された。uvi4遺伝子は第2染色体下部にマップされ、現在、遺伝子の単離を進めている。