日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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マングローブ由来伸長因子eEF1Aの分子シャペロン様機能の解析
*野崎 亜沙美山田 晃世三村 徹郎小関 良宏
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p. 553

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抄録
演者らはマングローブの一種であるBruguiera sexangulaから大腸菌を用いた機能スクリーニング法で、耐塩性に関与する遺伝子の探索を進めてきた。その結果、伸長因子 eukaryotic elongation factor 1A (eEF1A) をコードすると考えられるcDNA の単離に成功した。eEF1A はタンパク質の合成に関与し、全ての真核生物において保存されているタンパク質である。これまでに、B. sexangula eEF1A (Bs-eEF1A) を導入した大腸菌は、コントロールとしてベクターのみを導入した大腸菌と比べ、耐塩性の向上が確認された。しかしながら、なぜBs-eEF1A が大腸菌の耐塩性を強化するのか、その分子機構は不明であった。そこで本研究では、Bs-eEF1Aタンパク質の機能解析を試みた。既に予備的な実験を行った結果、Bs-eEF1A を導入した大腸菌に熱ショック耐性の向上が確認されている。そこで、大腸菌に発現させた His-Tag 融合 eEF1A タンパク質を精製し、in vitro での分子シャペロン活性の評価を試みた。その結果、Bs-eEF1A タンパク質は分子シャペロン様の活性を有することが確認された。Bs-eEF1A は分子シャペロン様活性を有することにより、B. sexangula の耐塩性機構に関与している可能性が示唆された。
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© 2005 日本植物生理学会
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