日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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糖によるTGA3の素早い発現誘導はPR1の糖誘導に必要であるが充分ではない
*佐藤 美佳吉田 佳雅前尾 健一郎中村 研三
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p. 605

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抄録
糖に応答したシロイヌナズナ遺伝子の発現をマイクロアレイを用いて解析し、タンパク質合成阻害条件下でも糖により短時間の内にmRNAが顕著に誘導される推定転写因子をコードする遺伝子の中に、TGA3 (AtbZIP22)を同定した。病原体感染時のサリチル酸(SA)応答において、TGA因子群はNPR1と相互作用をして防御遺伝子PR1の発現誘導に共通に関わる。PR1遺伝子の発現は糖によっても誘導されるが、TGAファミリーの中でTGA3のみが糖で誘導されたことから、PR1遺伝子の糖による発現誘導にはTGA3が選択的に関与している可能性が考えられた。
プロモーターにT-DNAが挿入されたTGA3低発現株では、PR1のSAによる誘導は野生型株と同様であったが、糖による誘導は著しく低下し、PR1の糖による誘導にはTGA3が必要であることがわかった。TGA3の発現は2-デオキシグルコース(2dG)で誘導されるのに対し、PR1の発現は2dGでは誘導されず、PR1の糖による誘導にはTGA3を介したへキソキナーゼセンサー依存的経路に加えて、別のシグナル伝達系が必要と考えられた。npr1変異株では、PR1のSAによる誘導のみならず、糖による誘導も見られなかったことから、NPR1がヘキソキナーゼセンサー非依存的な糖シグナルを伝達する可能性が考えられる。
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© 2005 日本植物生理学会
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