金沢市公共シェアサイクル「まちのり」利用データ・GPSデータを用いた移動行動の可視化分析

抄録

我が国における環境，交通，健康増進等の課題への対応や，「コンパクト＋ネットワーク」の考え方にもとづく公共交通優先のまちづくりにおいて，「シェアサイクル」の役割が期待されており，その利用実態の把握に基づく，より一層の利用促進が求められている．

そこで本研究では，金沢市公共シェアサイクル「まちのり」が蓄積しているGPS等のデータの可視化を通して，詳細な移動行動の把握が可能であることを示す．また，定量的な比較分析を実施した結果，利用者の個人属性や日・天候特性の差異によって，移動距離や平均速度に差異が生じていることが確認された．さらに，これらの可視化・分析結果をBIツール上でシステムとして構築することで，可視化・分析の迅速 化や共有化による実務におけるデータ活用の拡大の可能性を示した．