日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナCUC2CUC3遺伝子は腋生分裂組織の形成に関与する
*桧原 健一郎田坂 昌生
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p. 682

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抄録
植物の地上部の器官を産出する茎頂分裂組織は大きく二つの発生過程がある。胚発生過程に子葉の間に形成される胚性茎頂分裂組織(SAM)と葉腋に形成される腋生分裂組織である。これらの分裂組織は地上部の植物の形態形成に重要な役割を果たすがそれらの形成機構にはまだ未解明な点も多い。
我々はSAM形成や子葉分離に異常を示す変異体の解析からCUC1CUC2遺伝子を単離・同定している。さらにSAM形成に関与する新しい遺伝子を単離するため、cuc2エンハンサー変異体の単離を行った。得られたcuc2エンハンサー変異体を遺伝学的に調べたところ、CUC1CUC2と同じfamilyに属するNAC box遺伝子(CUC3)内に変異が見つかった。
cuc3変異体ではcuc12の単独変異体に見られた表現型に加えて低頻度で腋生分裂組織の欠失や腋外分枝と呼ばれる表現型が観察された。またこれらの表現型は、cuc2 cuc3二重変異体で最も強調されたが、cuc1 cuc3二重変異体ではcuc3と同程度であった。さらにこれらの側枝の表現型はcuc1 cuc2二重変異体から得られる花茎では観察されなかった。これらの結果から、SAM形成過程とは異なり、腋生分裂組織の形成過程ではCUC2CUC3が主に関与していることが示唆される。
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© 2005 日本植物生理学会
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