日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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野生植物における矮小形質の遺伝的固定機構の解明-オオバコとシロイヌナズナを用いて
*石川 直子塚谷 裕一
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p. 683

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抄録
 宮島や屋久島、金華山、また古くからある寺社・仏閣では、様々な種の野生植物における矮小化現象が見られる。こうした場所でみられる矮小型植物の中には、実験室に移植しても矮小形質が失われず、遺伝的に固定されていると考えられるものが数多くみられる。一方、植物種によっては、移植により矮小形質が失われることから、矮小型植物の産地には、植物の矮小化をもたらす環境ストレスが存在すると考えられる。我々は、そうした矮小化形質がどのように遺伝的に固定したかを明らかにするため、オオバコを矮小型植物のモデルとして選び、シロイヌナズナにおける知見と照らしつつ解析を行なっている。
 まず、全国各地より非矮小型および矮小型オオバコを採集し、36系統を確立した。そのうち葉サイズが顕著に低下していた3系統の矮小型について、葉サイズ減少の原因を調べる解析を行なった。その結果、矮小型では、葉平面を構成する細胞サイズは正常であるが、細胞数に減少がみられることがわかった。同様の現象が、他種の矮小型植物でも観察されたため、葉形成における細胞増殖能の低下は、矮小型植物にみられる共通の性質と考えられた。そこでシロイヌナズナにおいて、ストレス応答により葉の細胞数の減少がもたらされる条件を検索したところ、エチレン応答との関連が示唆された。エチレン応答による植物の矮小化が、矮小形質の遺伝的固定に関連があるかどうかについても議論したい。
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© 2005 日本植物生理学会
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