2023 年 4 巻 3 号 p. 466-473
高齢者や障害者などの要配慮者が,安全な避難を行うため,多くの団体において個別避難計画が作成されている.これにより,要配慮者一人ひとりに対する的確な避難支援を行うことが可能となるが,避難支援者自身の高齢化や,過疎化による支援者のなり手不足といった課題がある.本研究では,単独歩行が可能な要配慮者の避難を想定した避難支援システム構築に関する基礎的研究として,自律飛行ドローンを用いた避難誘導・監視に関する実験を行った.その結果,避難誘導実験では,単独・集団問わず,映像から検出した避難者と,一定の距離を保ちながら任意方向への誘導,避難監視実験では,ARマーカを付与した避難者の人数把握や,避難者が移動している様子の監視が可能となった.