抄録
高等植物に広く存在するアラビノガラクタン-プロテイン(AGP)は植物体内で代謝されるが、その糖鎖の代謝に関わる酵素は明らかにされていない。今回我々はダイコンに存在する、β-1,3-結合、β-1,6-結合に特異的に作用するβ-ガラクトシダーゼ、RsBGAL1をRT-PCRによりクローニングした。RsBGAL1は851アミノ酸からなる2,532 bpのORFをコードしており、植物由来のエキソ-β-1,4-ガラクタナーゼ活性を有するβ-ガラクトシダーゼに高い相同性を示した。RsBGAL1はダイコンの胚軸や若い葉で発現していた。ピキア酵母から得られた組換えRsBGAL1タンパク質は、ダイコン種子より得られたネイティブな酵素と同様に、β-1,3-ガラクトオリゴ糖とβ-1,6-ガラクトオリゴ糖を特異的に加水分解した。また、組換えRsBGAL1は微生物由来のα-L-アラビノフラノシダーゼとβ-グルクロニダーゼと協調して、ダイコン成葉から得られたAGPの糖鎖の90%以上を分解した。これらの結果から、RsBGAL1はエキソ-β-1,4-ガラクタナーゼ活性を有するβ-ガラクトシダーゼとは異なり、β-1,3-結合、β-1,6-結合に特異的に作用するβ-ガラクトシダーゼであり、植物体内でAGPの分解に関与していることが示唆された。