日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

イネ培養細胞のファイトアレキシン生産におけるジャスモン酸と活性酸素種の関与
*軸丸 裕介山口 武志南 栄一渋谷 直人長谷川 守文児玉 治古賀 仁一郎梅村 賢司岡田 憲典野尻 秀昭山根 久和
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 773

詳細
抄録
イネ培養細胞においては、N-アセチルキトオリゴ糖(エリシター)処理により、モミラクトン類やファイトカサン類等のファイトアレキシン(PA)生産が誘導される。我々は、このエリシター誘導のPA生産においてジャスモン酸(JA)が重要な機能を果たしていることを明らかにしたが、JA単独処理ではPA生産は微弱にしか誘導されなかった。また、イネ培養細胞ではエリシター処理によりH2O2等の活性酸素種が生成するが、H2O2単独処理ではPA生産の誘導は認められなかった。一方、我々はイネ培養細胞においてエリシターとH2O2を同時投与することによりPA生産が顕著に促進されることを見出した(Yamaguchi et al. 2004)。そこで、本研究では、モミラクトン類、及びファイトカサン類のLC/MS/MSによる網羅的解析法を確立すると共に、PA生産に対するJAとH2O2の相互作用を検討した。JA (500 μM)とH2O2 (10 μM)を同時処理した場合、モミラクトン類についてはエリシター処理と同等の生産誘導が認められた。このことから、イネ培養細胞におけるモミラクトン類の生産誘導には、JAと活性酸素種が必要であることが示された。ファイトカサン類については、JA、H2O2の同時処理によって微弱な生産誘導しか認められず、モミラクトン類とファイトカサン類では生産誘導機構に違いがあることも示唆された。
著者関連情報
© 2005 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top