日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ジャスモン酸類はチューリップにおけるガム物質生成の鍵化合物である
Edyta Skrzypek*宮本 健助Marian Saniewski上田 純一
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p. 774

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抄録
ガムは、植物体が菌類や病害虫の攻撃を受けた場合にその防御機構の一環として、あるいは強風等によって物理的損傷を受けた場合にその傷痍機構として形成される多糖性の溢泌物質である。チューリップ(Tulipa gesneriana)においては、Fusarium oxysporumの感染等によってガムが溢泌するが、その生成制御を司る内生の鍵化合物は明らかにされていない。本研究においては、チューリップ(cv. Apeldoorn)におけるガム物質生成制御を司ると考えられる内生の鍵化合物の検索を行った結果、ガスクロマトグラフ-質量分析計を用いた解析により、ジャスモン酸(JA)およびそのメチルエステル(JA-Me)が同定された。これらジャスモン酸類は、内部標準を用いた定量分析の結果、チューリップ花茎において、生重量当たり70~80 μg含まれていた。また、JAおよびJA-Meをチューリップ花茎に外生的に投与すると、比較的高いレベルのエチレン生成を伴って顕著なガム物質形成が認められた。エチレンは、バラ科核果類などにおいてガム物質を誘導することが知られている。しかしながら、エチレン発生剤であるエテホンをチューリップ花茎に処理するとジャスモン酸類の内生量は僅かに増加するものの、ガム物質の生成は認められなかった。以上の結果から、チューリップ花茎においては、エチレンではなく、ジャスモン酸類がガム物質生成を司る鍵化合物であることが強く示唆された。
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© 2005 日本植物生理学会
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