抄録
タケは伸長成長が非常に速いことで知られている。とくにタケノコの時期においては,1日に最大で1mに達するとの報告もある。これまで,われわれはタケの伸長成長期に特異的に発現する遺伝子をイネマイクロアレイを利用した解析をおこない,その中でもとくにタケの伸長成長期の節間下部において他の組織と比較して非常に活発な遺伝子発現がおこなわれていることを明らかにしてきた。今回,その中でも糖代謝関連の遺伝子発現に特徴がみられたので報告する。実験材料として全長5m42cmのモウソウチク(Phyllostachys pubescens Mazel)の幼竹の第17節間を3分割したうちの上部および下部組織,比較としてタケノコ,成葉を加えた4部位を用いた。2つのショ糖合成酵素のクローンのうちトウモロコシのSus1 と相同性が高いSS31,ならびにSus3 と相同性の高いSS12についてはRT-PCRの結果,いずれの組織においても節間下部で強く発現しているものの他の組織では発現量に差が見られることがわかった。この他に節間下部ではセルロース合成酵素やUDP-グルクロン酸脱炭酸酵素などの糖代謝関連の遺伝子が強く発現していることがわかった。また,節間下部においてはショ糖含量が節間上部やタケノコと比較すると少ないことが明らかとなった。