日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナのサイクリンD4;2は組織特異的に細胞分裂を促進する
*河野 淳小島 祥子内宮 博文梅田 正明
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p. 788

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抄録
シロイヌナズナには10個のサイクリンD遺伝子が存在するが、そのうちの一つであるサイクリンD4;2(CYCD4;2)は、サイクリンDの重要な基質とされるRbとの結合配列を欠く特異なサイクリンDである。本研究では植物のサイクリンDが持つ未知の機能の解明を目指し、このCYCD4;2の機能解析を行った。
CYCD4;2とそのパラログであるCYCD4;1は共に出芽酵母のG1サイクリン欠損株の相補能を有しており、G1サイクリンとして機能することが示された。このCYCD4;2はin vitroでCDKA、CDKB1、CDKB2と複合体を形成し、植物細胞内では少なくともCDKAと複合体を形成することが判明した。植物体におけるCYCD4;2の機能を解析するため、CYCD4;2を恒常的に過剰発現する形質転換体を作成した。過剰発現体は正常に生育し、大部分の細胞の分裂や分化に大きな異常は観察されないが、胚軸の気孔を形成する表皮細胞列において顕著な細胞分裂の亢進が生じていた。以上より、CYCD4;2は少なくともCDKAと複合体を形成し、胚軸の表皮等の限られた組織において細胞分裂を促進する働きを有することが示唆された。この分裂促進はCYCD4;2が未知のRb結合配列によりRbと相互作用しているか、あるいはRbを介さない経路によると予想される。
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© 2005 日本植物生理学会
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