AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
機械学習による塩害を受けた道路橋PC上部工の耐力推定に向けた代理モデルの構築
合田 哲朗辻井 純平高地 透中野 雅章松山 公年園田 崇博
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2023 年 4 巻 3 号 p. 70-82

詳細
抄録

本研究では,炭素繊維シート補強を有する塩害を受けたPC-T桁の耐力を推定する代理モデルを構築した.まず,炭素繊維シートと内部PC鋼材の損傷状態を変化させた大量のモデルを作成し,非線形FEM解析により桁の耐力を含むデータセットを準備した.続いて,内部PC鋼材の損傷状態を量的にのみ学習したLightGBMによるベースラインモデル及び損傷状態を面的に数値画像として学習したCNN+MLPの2つの代理モデルを作成した.対象PC桁の耐力は,内部PC鋼材の面的な損傷分布等により定まる桁の構造的な弱部に大きく依存するため,この情報を取り込んだCNN+MLPでは耐力の予測精度が向上した.多様な鋼材損傷状態・複合材料補強を有する塩害橋梁の構造評価を代理モデルにより簡便に実施する考え方を示し,力学指標に基づく大量の構造物に対する効率的な維持管理の実現可能性を述べた.

著者関連情報
© 2023 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top