日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネカルシウム依存性プロテインキナーゼ遺伝子族の機能解析にむけて
*浅野 敬幸田中 直樹羽方 誠中村 英光市川 裕章林 長生廣近 洋彦小松 節子
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p. 841

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抄録
酵母や動物には存在しない植物特有のカルシウム依存性プロテインキナーゼ(CDPK)は、アラビドプシスにおいて34遺伝子からなる多重遺伝子族を形成していることが知られている。これまでに高等植物のCDPKの機能が明らかにされた研究例は数例しかなく、これら遺伝子族内での機能分担/重複に関する知見は得られていない。我々はイネCDPK遺伝子を同定するため、データベース検索を行い、29個のCDPK遺伝子のゲノム配列を抽出し、OsCPK1からOsCPK29とそれぞれ名付けた。ノーザンブロット解析によりイネCDPK遺伝子の発現様式を解析した結果、これらの多くは特定の組織で特異的/優先的な発現を示すことが明らかとなった。また、OsCPK9遺伝子の発現はいもち病菌接種により誘導されることが判明した。次に、多重遺伝子族を形成するイネCDPK遺伝子の機能を総括的に解明するため、対応する完全長cDNAの過剰発現イネ系統の表現型解析を開始した。具体的には、各完全長cDNAをトウモロコシユビキチンプロモーターの下流に接続したバイナリベクターをそれぞれ構築し、アグロバクテリウムに導入した。これらアグロバクテリウム系統をイネに感染し、種々のCDPK過剰発現イネ系統を作出した。現在、これら形質転換イネに導入された遺伝子の発現解析や各系統における表現型の観察などを進めている。
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© 2005 日本植物生理学会
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