日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
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LRR型受容体キナーゼを介した[3H]PSKのエンドサイトーシス
*宮尾 悠小川 真理上田 貴志中野 明彦坂神 洋次松林 嘉克
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p. 885

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抄録
ファイトスルフォカイン(PSK)は植物細胞の培養液中に見出された分泌型ペプチドであり,LRR型受容体キナーゼ(PSKR1)を介して細胞の増殖や分化を促進する.我々は野性株由来培養細胞としてはPSKR1の発現レベルが高いニンジンNC細胞を材料として,生細胞における[3H]PSKのPSKR1への結合カイネティクスを解析した.4℃において一定量のNC細胞を種々の濃度の[3H]PSKの存在下でインキュベートし,スキャッチャード解析を行なうと,[3H]PSKの結合定数は4.3 nM,細胞1個あたりの受容体数は,約30,000個と計算された.この[3H]PSKの結合は約2時間で飽和に達するが,過剰量の非ラベルPSK添加により可逆的に解離し,3時間程度で結合はバックグラウンドレベルにまで低下した.一方,[3H]PSKを25℃で2時間結合させた後,過剰量の非ラベルPSKを添加した場合には,結合した[3H]PSKの一部は解離せず細胞に残存した.受容体を介したエンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれたと考えられる.この[3H]PSKの内在化は,プロテインキナーゼ阻害剤のK-252aによって阻害されたが,シクロヘキシミドやactinomycin Dではほとんど阻害されなかった.また,PI3-kinase阻害剤であるwortmanninにも阻害効果が見られた.
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© 2005 日本植物生理学会
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