抄録
シアノバクテリア Synechococcus sp. PCC7942 (PCC7942)は37個の2成分制御系が同定されている。これまでに、機能解析によって強光や栄養欠乏などのストレス応答のみならず、概日リズムの制御にも関与していることが示唆されている。その一方で、ヒスチジンキナーゼとレスポンスレギュレーターの多くが染色体上で孤立に存在しているため、リン酸基転移をするペアの推測が容易ではない。そのため、2成分制御系間のネットワークは殆ど明らかになっていない。本研究では、シアノバクテリアにおける2成分制御系間ネットワークの解明するため、酵母2ハイブリッド法を用いて相互作用解析を行った。
PCC7942で同定されたヒスチジンキナーゼ12個、レスポンスレギュレーター20個、ハイブリッド型5個をコードするORFを、それぞれ酵母2ハイブリッド用ベクター(pGBTK, pGAD424)にクローニングした。同様に近縁種の2成分制御系と相同性の高いORFもいくつかクローニングし、1対1での総当たり解析を行った。その結果、オペロンを構成しているタンパク質間相互作用、孤立遺伝子として存在するタンパク質間相互作用、合わせて31組の相互作用を同定した。これらの結果は、シアノバクテリアの二成分制御系タンパク質が複雑なネットワークを形成している可能性を示唆している。