抄録
耐塩性におけるグルタチオン(GSH)の役割を明らかにすることを目的として、耐塩性の強いトールフェスクと弱いイネを用い130μEおよび500μEの光条件でそれぞれ150, 200mMおよび50mM NaCl濃度培養液で培養して実験を行った。両植物ともNaCl区とGSHの合成阻害剤であるBSOを添加したNaCl+BSO区の生育に差はなく、Na, Cl含有率は500μEのトールフェスクの200mMNaCl+BSO区で200mMNaCl区より上昇した。NaCl区のGSH含有率はイネでは500μEで130μEより低下し、トールフェスクの200mMNaCl区では500μEで上昇した。過酸化脂質含有率はイネでは全処理区で130μEより500μEで高く、両植物のNaCl+BSO区ではNaCl区と比較して変わらないか高い傾向であった。500μEにおけるイネでは全GSH含有率とGSH含有率の差はNaCl区で無処理区と比較して大きくなり、このときの過酸化脂質含有率は無処理区と同程度に押さえられていることから、塩ストレスによって発生した活性酸素をGSHが消去している可能性が示唆された。しかし、今回の光条件では過酸化脂質は生育に害を及ぼすほど集積していないと考えられる。現在さらに強い光条件で実験を行っているので、その結果と過酸化水素量についてもあわせて報告する。