日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第46回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

イネミュータントパネルを利用した植物免疫の情報伝達に関わる遺伝子の大規模スクリーニング
*高橋 章林 長生宮尾 安藝雄廣近 洋彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. S50

詳細
抄録
我々はこれまでにイネ内在性のレトロトランスポゾンTos17を利用した遺伝子破壊系統を約50,000系統作成し、そのリソースを公開してきた。Tos17は組織培養によってのみ転移が活性化されるため、再分化後のTos17よる遺伝子破壊は安定であり、かつ組換えDNA実験の制約を受けないため、イネにおける大規模かつ網羅的な遺伝解析による重要な遺伝子の単離を行うにあたり、非常に強力なツールである。我々は植物免疫における情報伝達に関わる新規な遺伝子を同定するため、これらの遺伝子破壊系統を用いて大規模なスクリーニングを行うことにした。野生型品種である日本晴に対して非親和性であるいもち病菌を接種すると、接種後約1週間で葉に典型的なHRによる褐色斑が観察される。一方、罹病性品種ではHR斑は認められず、いもち病菌の伸展による罹病性病斑が観察されるため、接種後の判定は非常に容易であり、ハイスループットなスクリーニングが可能である。これまで数系統において抵抗性の低下が観察されている。また、植物免疫の情報伝達経路上の変異体であると考えられる擬似病斑変異体を、その表現型を指標に遺伝子破壊系統から多数単離し、それらを病害関連遺伝子の発現を指標にクラス分けを行った。さらに、これらのうち数系統においてはTos17によりタギングされていることが明らかとなり、原因遺伝子が同定された。これら変異体における詳細な解析結果もあわせて報告する。
著者関連情報
© 2005 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top