抄録
放射性同位元素(RI)は、50年前の14Cを用いた光合成CO2固定回路の解明以来、DNA塩基配列の決定やタンパク質のリン酸化の研究など、生命科学の発展に大きな役割を果たしてきた。近年PETなどの新しい放射線利用技術が発達してきたが、これまで用いられてきたRIも測定機器の発達に伴い、効率よく利用されるようになっている。しかし一方、液体シンチレーションカウンターの利用者の中には、その測定法を十分理解していない人が多いというアンケート結果もある。
そこで、RIの特徴と利用をまとめ直すとともに、イメージングプレートの特性を生かした定量解析の結果を紹介する。具体的には、シアノバクテリアSynechocystis sp. PCC6714のフィコシアニンをコードするcpcオペロンは転写開始点の5塩基上流がチミンであるが、そのチミンが他の塩基に置き換わると転写量が5から10分の1に減少すること、Synechococcus sp. PCC7942のRNA polymeraseを用いたin vitro translationによっても5塩基上流のチミンが発現量の調節に関係することの結果を示す。また、種々の生理条件下における特定遺伝子の転写量測定や2次元薄層クロマトグラフィによる相対的定量解析も紹介する。天然に存在する40Kの利用についても説明を加える予定である。