日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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プログラム細胞死の制御因子LSD1と相互作用するAtbZIP10は細胞死、病害抵抗性を正に制御する
*上中 弘典Nake ChristianEpple PetraJittgen JanSchutze KatiaChaban ChristinaHolt III Ben F.Merkle ThomasSchafer EberhardHarter KlausDangl Jeffery L.
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p. 077

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抄録
植物においてプログラム細胞死は、病害抵抗性や生殖器官、維管束形成等に関与する事が知られているが、その詳しいメカニズムについては明らかになっていない。シロイヌナズナのLSD1は細胞死の負の制御因子であり、自身のジンクフィンガー構造を介し、他のタンパク質と相互作用することで、細胞死に関与する遺伝子の発現を制御していると考えられる。つまり相互作用するタンパク質の機能解析が、LSD1の関与する細胞死のメカニズム解明に有効な手段であると考えられる。LSD1と相互作用するAtbZIP10は、既知のシスエレメントであるG-BOXまたはC-BOXに結合するbZIP型の転写因子である。AtbZIP10は核だけでなく細胞質にも局在しており、核外への局在がExportinとの相互作用によるもの、細胞質でLSD1と相互作用する事で核への局在が阻害されることを示した。また変異体、過剰発現体を用いた解析から、AtbZIP10の機能はlsd1変異体において引き起こされる細胞死だけでなく、病原体が誘導する細胞死、並びに病害抵抗性を正に制御することを明らかにした。このことはAtbZIP10により制御されている遺伝子が、細胞死シグナルの促進に必要であることを示唆する。しかしながら、atbzip10変異体による細胞死の抑制が不完全であったことから、他の転写制御因子の機能も細胞死の誘導に必要であると考えられる。
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© 2006 日本植物生理学会
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