日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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クラミドモナスのCO2濃縮機構のクロロフィル蛍光を用いた解析
*鈴木 健策
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p. 113

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抄録
クラミドモナスはCO2律速条件に適応すると、CO2濃縮機構(CCM)の働きで細胞内に無機炭素(DIC)を濃縮し、光呼吸を抑えつつ低濃度のDICを効率的に光合成に利用する。しかしそのしくみはまだよくわかっていない。また、これまでに得られたCCM突然変異株はまだ少なく、それらの光合成特性も十分には解明されていない。私達は最近、クロロフィル蛍光パラメータの1つNPQとCCMの密接な関係を示唆する結果を得た(Suzuki and Onodera 2005, Can. J. Bot. 83:834-841)。そこで、クロロフィル蛍光を用いた解析によりCCM解明の手掛かりを得る目的で、2つの突然変異株、ca1(細胞内にDICを過剰に濃縮するがそれを利用できない変異株)とpmp1(細胞内にDICを全く濃縮できない変異株)の光合成特性を、クロロフィル蛍光を中心に、野生株や低光呼吸突然変異株RPR1と比較した。CO2補償点付近でのNPQは、野生株でもRPR1でも5% CO2生育細胞では0.6程度で、大気(300 ppm CO2)適応細胞では1.3~1.7程度に上昇するが、ca1では、5% CO2生育細胞では野生株と変わらないものの、大気適応細胞では野生株やRPR1株等より明らかに高く2~3程度であった。pmp1では適応CO2環境の影響は殆どなく、大気適応細胞でも0.5~0.8程度であった。また、これまでDICを全く濃縮できないと考えられてきたpmp1でも、大気適応細胞では、非常に低いDIC濃度(40 μM前後)下における部分的なDIC輸送の存在を示唆する結果を得た。
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© 2006 日本植物生理学会
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