抄録
当研究室では、核に転移したラン藻由来の遺伝子を大量同定しそれらの機能の網羅的研究をおこなっている。タンパク質をコードするそれらの遺伝子をChloroplast Protein of Endosymbiont Originの頭文字をとってCPRENDO(CPR)と名付けた。本研究では、シロイヌナズナのCPRENDOの機能解析を目的とした。シロイヌナズナにはCPRは1,000個以上存在すると推定されるが、特に確実と思われたコアセットとして56個の未同定タンパク質を選んだ。CPR遺伝子のシロイヌナズナT-DNA挿入変異体を入手しホモ変異体を得た。このうち、可視的な表現型の現れるものに着目した。cpr27変異体は子葉がアルビノになる劣性変異体である。CPR27はプロテオ-ム解析によって葉緑体に検出されているが、機能解析は行われていない。この変異体の子葉には成熟葉緑体と未発達色素体とが混在している細胞が存在するという珍しい特徴がある。また、この系統は培養に土を用いても生育が可能であるが、野生株と比べてやや成長が遅い。このことから、CPR27は子葉葉緑体発達に重要なタンパク質と考えられた。しかし、本葉のクロロフィル蛍光測定でも異常が観察され、本葉の葉緑体にも何らかの影響を与えていることが示唆された。