日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナのモリブデントランスポーター(MOT1)の機能解析
*戸松 創高野 順平藤原 徹
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p. 153

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抄録
モリブデン(Mo)は植物の必須元素であるが、真核生物におけるMo輸送の分子機構は明らかにされていない。MOT1はシロイヌナズナのCol-0とLerの葉のMo濃度差に基づく遺伝解析により単離した原因遺伝子である。MOT1にT-DNAが挿入された変異株のMo濃度は野生型株よりも低く、MOT1-GFP融合タンパク質を発現させたタマネギ表皮細胞では細胞の外縁部にGFPの蛍光が観察される。本研究では、シロイヌナズナのMo輸送体と推定されるMOT1の機能解析を行った。
mot1変異株をMo欠乏条件下で栽培すると、野生型株よりも強く地上部の生育が抑制された。この際、野生型株ではMOT1 mRNAの蓄積が誘導されていた。これより、Moの利用が制限された環境での効率的な生育にMOT1が必須であることが示唆された。MOT1を酵母で発現させたところ、細胞内Mo濃度の上昇がみられた。また、この際の細胞内Mo濃度を概算すると細胞外よりも高かった。これより、MOT1は濃度勾配に逆らってMoを輸送する活性を持つことが示唆された。mot1変異株のMo濃度は根よりも地上部でより低下していた。MOT1遺伝子のプロモーター制御下でGUSを発現する形質転換体を観察したところ、根の内鞘と地上部の葉柄・葉脈・雄ずいおよびさやでGUSの染色が観察された。MOT1は根から地上部へのMo輸送に関与するトランスポーターと考えられる。
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© 2006 日本植物生理学会
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