日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ時計関連因子PRRの機能と光周性花成制御
*北 雅規中道 範人伊藤 照悟水野 猛
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p. 164

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抄録
光周性花成は植物が日長の変化により花成誘導が制御される現象であり、最近のシロイヌナズナを用いた研究から、光周性花成経路は外環境からの光シグナルと内在性の概日時計によって制御されていることが示唆され、その分子機構や関連諸因子(COやFTなど)に関して多くに知見が蓄積されつつある。我々は、TOC1/PRR1を含む5種類の擬似レスポンスレギュレーター(PRR3、PRR5、PRR7、PRR9)が時計中心振動体近傍で重要な働きを担い、各種prr欠損変異体が花成制御に関しても顕著な表現型を示すことを報告してきた。今回はこれらprr多重変異体を用いて、光周性花成制御経路で働く重要な下流因子であるCOやFTの発現に与える影響を解析した。また、花成に大きな影響を与えることが知られている赤色光受容体PHYB遺伝子との多重欠損株も作成し、光シグナル伝達と光周性花成制御経路におけるPRR因子の位置付けに関して解析した。さらに、prr変異体は花成に関する表現型に加えて、花茎の高さや太さに関して顕著な表現型が観察された(高い背丈と太い茎)。これらの結果を基に、PRR因子の時計関連機能に関して、特に植物の花成制御だけでなく植物形態制御との関連にも焦点を当てて考察する。
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© 2006 日本植物生理学会
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